老いも若きもほっこりできる「あじわい」深いスナック
ふと「あじわい」という単語の英訳が気になり調べてみた。答えは「Taste」。これは、甘味・辛味・酸味などのいわゆる「味」の英訳と同じであり、欧米人にとって「あじわい」と「味」が同義であることが分かった。あじわいとは、味を包括した五感で感じるものであり、おそらくこの感覚は、日本人特有の繊細さからくるものなのだろう。そして、そんなあじわい深さを感じさせてくれるのが、こちらの「清里」である。店を切り盛りするのは、知床半島の麓に位置する北海道清里町出身のとしこママ。「醍醐」「雲海」といった釧路を代表する高級和食店で15年間仲居を勤めたのち50代で起業したバイタリティ溢れるママだ。ここのお勧めは、としこママの故郷である清里町特産のじゃがいも焼酎。肥沃な大地に育まれた芋を透明度日本一にも選ばれた斜里川の清涼水で仕込んだ、まさに大地の恵み。そしてもう一つのお勧めは、としこママの手料理である。この店にはお通しという概念がない。なぜなら、次から次へとサービスの手料理が登場するからだ。「いつも“料理が多すぎだ”って𠮟られちゃうのよ」と笑うとしこママが作る山菜のてんぷらや根菜の煮物は、客に対する深い愛情を感じるものばかり。幼い頃に両親の実家で振舞われた田舎料理を思い出し、おなかも心も満たされるのである。店の壁には、冬の清里町から望む雄大な斜里岳の写真が掲げられているが、きっとこの店を訪れる客にとっては、としこママこそが、大地の恵みを与えてくれる懐深き斜里岳のような存在なのだろう。
【としこママからひと言】
おばあちゃん家のような雰囲気のお店です。お腹を空かせて遊びに来てくださいね。